あるページが、検索結果の2位に17日間表示され続けて、クリック数は0でした。
順位だけを見ていたら「うまくいっている」と思い込んだままだったはずです。原因はタイトルが49文字あって、検索結果で途中から省略されていたことでした。
これは自社サイトで実際に起きたことです。この記事では、同じ状態を自分のサイトで見つける手順と、あわせて分かった2つのことを書きます。
この記事でわかること
- 検索2位なのにクリック0が起きる理由と、その調べ方
- 「書いた記事の数」と「読まれる記事の数」がどれだけズレるか
- クリックを生んでいる言葉が、本文に1回も無いことがある
- 測ってから直す、の具体的な手順
誤解1:記事を増やせば、まんべんなく読まれると思っていた
実際は違いました。1本の記事が、サイト全体の検索表示の9割を占めていました。残りの十数本を全部合わせても、1割に届きません。運営して1ヶ月半のサイトなので絶対数は多くありませんが、偏り方そのものは規模と関係なく起きます。
しかもその1本は、事業とは直接関係のない、ツールの使い方を解説した記事でした。力を入れて書いた事業寄りの記事は、ほとんど検索に出ていません。
これは考えてみれば当然で、検索する人の数がまったく違うからです。「ツールの使い方を知りたい人」は大勢いて、「自社にAIをどう入れるか悩んでいる人」はずっと少ない。記事の出来とは無関係に、母数で決まります。
この偏りは、リスクでもある
1本に依存している状態は、その1本が順位を落とした瞬間に全部失うということです。検索エンジンの順位は、こちらの都合と無関係に動きます。
そこで打ち手が変わりました。新しい記事を書くより、その1本から他の記事へ読者を送る導線を作るほうが先だと判断したのです。実際、その記事の末尾に関連記事へのリンクを追加しました。
これは中小企業のサイトでも同じです。「会社概要」や「採用情報」だけが読まれていて、肝心のサービス紹介ページに人が来ていないというのはよくある形です。この場合も、新しいページを増やすより、読まれているページから見せたいページへ導線を引くほうが先になります。
誤解2:順位が上がればクリックされると思っていた
これがいちばん驚いた発見です。
あるキーワードで、この記事は平均2〜3位を17日間キープしていました。表示回数も100を超えています。ところが——
クリック数は、0でした。
17日間、2位に表示され続けて、1回もクリックされていない。順位だけを見ていたら「うまくいっている」と思い込んだままだったはずです。
原因はタイトルの長さだった
調べてみると、その記事のタイトルは49文字ありました。
ここで大事な注意があります。検索結果でタイトルが切れる位置は、文字数ではなく表示の幅(ピクセル)で決まります。PCでおおむね600px、スマホで430px前後です。目安として全角なら28〜30文字、半角の英数字はその半分の幅と考えてください。アルファベットが多いタイトルは、もう少し長くても収まります。
この記事のタイトルは全角がほとんどだったため、途中で切れてこう表示されていたと推定されます。
ClaudeのスマホアプリとPC版を連携する方法|iPhon…
「iPhon」で切れています。読み手からすると、何が書いてあるのか判断しづらい。2位に出ていても、これでは指が止まりません。
問題のページはこれです。Claudeをスマホとパソコンで同期する方法|PC版と連携(現在は短縮済み)。実物を並べて確認できるようにしておきます。
「推定」と書いたのには理由があります。Google は、こちらが設定したタイトルをそのまま使わず、見出しなどから別のタイトルを作って表示することがあります(2021年8月以降、この書き換えが増えました)。しかも Search Console は「実際に表示されたタイトル」を教えてくれません。
ですから、シークレットウィンドウでそのキーワードを実際に検索して、自分の目で確認してください。1分で済みます。文字数を数えるより先に、これをやるのが正しい順番です。
中小企業のサイトだと、「会社名+サービス名+地域名」を全部タイトルに詰め込んで、肝心の内容が切れているというパターンをよく見ます。社名は最後で構いません。お客様は社名で探していないからです。
タイトルを29文字に短くして、全文が表示されるようにしました。結果はまだ出ていません。変更したばかりなので、判断できるのは2週間ほど先です。この記事を読んで同じことをする方は、効果を確認するまで時間がかかることを前提にしてください。
同じ状態を自分のサイトで見つける手順
難しい作業ではありません。ご自身のサイトで今日できます。
- Google Search Console の左メニューから「検索パフォーマンス」→「検索結果」を開く
- 期間を3ヶ月にして、「平均掲載順位」を表示する(初期状態ではオフのことが多い)
- 順位が10位以内なのに、クリック数が0または極端に少ない行を探す
- 該当ページのタイトルを数える。30文字を超えていたら、そこが原因の候補
順位が低くてクリックが無いのは当たり前です。順位が高いのにクリックが無い行だけを探してください。そこには何か理由があります。
誤解3:自分が使っている言葉で検索されると思っていた
もう1つ、見落としていたことがあります。
先ほどの「クリック0」はあるキーワード1つの話で、この記事全体では別のキーワードからクリックが入っていました。そのクエリ一覧を眺めていて気づいたことです。
その記事は「連携」という言葉をタイトルにも本文にも何度も使っていました。ところが実際にクリックを生んでいたのは、「同期」で検索してきた人たちでした。
そして「同期」という言葉は、本文に1回も出てきませんでした。
検索エンジンは似た意味の言葉を理解するので、書いていなくても表示はされます。しかし読者が使う言葉が本文に無いのは、明確な機会損失です。書き足しました。
これは自社の業務でも起きている
社内で「案件」と呼んでいるものを、お客様は「工事」と呼んでいる。自社が「保守」と言っているものを、相手は「メンテナンス」で探している。売り手と買い手で言葉が違うのは、よくあることです。
この「言葉が揃っていない」問題は、社内でも起きます。販売管理ソフトの「得意先」と営業Excelの「お客様名」が同じ会社を指しているのに集計できない、という形です。その直し方は 売上集計に3日かかる原因|Excelを1か所に集めても直らない に書きました。
Search Console のクエリ一覧は、お客様が実際に使っている言葉のリストでもあります。無料で見られるので、一度眺めてみる価値があります。
測ってから直す、という順番
今回の3つは、どれも計測を入れる前は気づけませんでした。しかも私は、書き手として毎日その記事を見ていたのです。
順位が高いのにクリックされていないことも、タイトルが切れていることも、読者が別の言葉で探していることも、眺めているだけでは分かりません。数字にして初めて見えます。
そしてもう1つ。私は計測の導入を1ヶ月後回しにしました。公開直後はデータがゼロなので、先に記事を増やすほうが優先だと考えたためです。ただし「いつ入れるか」を決めていなかったのは失敗でした。
もし今から始めるなら、Search Console と Google アナリティクスだけは初日に入れておいて、見るのは1ヶ月後にするのが正解です。計測は溜め始めるのが早ければ早いほどよく、見るのは後で構いません。
よくある質問
Q. タイトルは何文字にすればよいですか?
A. 全角30文字前後を目安にしてください。表示される文字数は端末や検索結果の形式によって変わるため、正確な上限はありません。重要な言葉をできるだけ左側に寄せるほうが、切れたときの影響を抑えられます。
Q. 順位が高くてクリックがないとき、他に原因はありますか?
A. あります。検索結果の上部にAIによる要約が出て、そこで答えが完結してしまうケースが増えています。この場合はタイトルを直しても改善しません。私の場合もこの可能性は排除できていません。タイトルは確実に直せる要因なので先に対処しましたが、それで解決すると断言はできません。
Q. 効果はどのくらいで分かりますか?
A. 最低2週間、できれば1ヶ月は見てください。Search Console のデータは確定までに数日かかりますし、日々の変動もあります。1〜2日の数字で判断すると、たまたまの上下に振り回されます。
Q. 中小企業のサイトでも同じことが起きますか?
A. むしろ起きやすいと思います。ページ数が少ないぶん、1ページへの依存度が高くなりがちですし、タイトルは事業側の言葉で付けられていることが多いためです。「うちの会社名+サービス名」のような、お客様が検索しない言葉がタイトルの先頭に来ていないか、一度確認してみてください。
まとめ
- 記事は均等に読まれない。1本に集中することがあり、それは依存というリスクでもある
- 順位が高くてもクリックされないことがある。順位だけ見ていると気づけない
- タイトルは全角30文字前後で切れる(正確には文字数ではなく表示幅。半角英数はその半分)。まずシークレットウィンドウで実際の表示を見る
- 読者が使う言葉と、自分が使う言葉は違う。クエリ一覧はその答え合わせに使える
- 計測は入れるのは初日、見るのは1ヶ月後でよい
ここに書いたのは、すべて自分のサイトで実際に起きたことです。そして直した結果はまだ出ていません。出たら、この記事に追記します。
frural では、こうした計測の導入から支援しています。まずは御社の Search Console を一緒に開いて、「順位が高いのにクリックされていないページ」を洗い出すところからで構いません。まだ Search Console を入れていない段階のご相談でも大丈夫です。サービスの詳細はこちら、ご相談は お問い合わせ からどうぞ。